2019年、中央競馬において歴史に名を残すような制度があったのをご存じでしょうか?ちなみに私は20数年競馬に携わっていましたが予想する側にとっても大きな変革の年でもありました。
その制度とは降級制度の廃止というものです。
今回は降級制度の廃止について改めてご説明し、今後の競馬予想についてどう変わったのかをご説明していきます。
中央競馬の降級制度とは?
私たち競馬ファンの予想の醍醐味といえば競馬予想ですが、非常に難解を極めていました。いわゆる1着~3着に来る馬を当てるのが競馬予想の楽しみなんですが、まぁメチャクチャ難しいのは誰もが知るところかと思います。
でなんで難しいのかというといろんな条件の馬が一斉に走るからなんです。思いつく限り列挙すると
- 雄雌混合
- 短距離~中距離
- 勝ち星によるクラス分け
などがあります。その中でも救済制度というのがあって1度でも勝つと競走馬のクラスが上がり、ワンランク上の競走馬とだれが一番早いのかを競う制度がありました。
でも馬にも好不調があって勝てる時期もあれば負け続ける時期もありますよね。そこで今まで導入されていたのが降級制度という馬にとっての恩恵があったんです。
降級制度は競走馬の寿命を延ばす制度
従来の制度においては賞金が稼げない、いわゆる頭打ちの状態が続いた場合は救済措置としてワンクラス下のレースに出走することができたんです。
ちなみに以前のクラス分けは以下の通り。
- 新馬・未勝利
- 500万
- 1000万
- 1600万
- オープン
ちなみに競走馬として残るには最低でも1勝しないといけません。そして仮に2勝あげて900万クラスに上がったものの、成績が低迷している場合は400万クラスにもどってレースに参加することができます。
こういった馬たちを競馬用語で「降級馬」といっていました。競馬予想する立場としてはこの降級馬の取り扱いが悩ましいところで、クラスが下になったとたん上位に来て穴馬券を連発することも多々あったんです。
降級制度廃止による競馬予想の変化
競馬予想をまどわせる降級制度でしたが2019年6月をもって廃止となりました。で廃止したあとの制度はどうなったかご説明します。
降級する馬がいなくなったことで勝った馬はそのままのクラスにずっと残る事ができます。そうすると上位のレースに多くの競走馬が参加するようになるのです。
つまり1000万や1600万クラスのレースでも多頭数参加でフルゲートになる事が多くなりました。正直、小頭数のレースはJRAとしては売上があまり見込めなかったため、多頭数参加のレースが増えるのは大歓迎という感じでしょうね。
降級制度廃止は予想にも変化がみられた
さて肝心の降級制度廃止による予想の変化というとコレがある程度変化が出始めています。
結論からいうと3歳馬の活躍が顕著に出ています。というのもいままで長期間に渡ってレースに参加していた高齢馬たちが降級で賞金を稼ぐことができなくなったためです。
という事は必然的に若い3歳馬が連対する確率は高くなり、1勝馬クラスでは3歳馬が圧倒的に強く20%程度の連対率をあげています。その後は馬齢を重ねるごとに低くなっているのです。
今後の競馬予想で非常に大事なのは迷ったら3歳馬!という事を覚えておいて損はないでしょう。
まとめ
今回は競馬の降級制度廃止による予想の影響についてお伝えしました。私たち競馬予想する側は気楽でいいのですが、馬主は成績の低下で賞金が稼げなくなると即引退というルールとなったため厳しいですよね。
JRAは売上UPを考えての制度廃止かと思いますが馬主の救済もしていただけると嬉しいと思います。
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